2009年03月19日

フルブライト・セミナー 開催報告!

昨日3月18日14時より、フルブライト・セミナーが開催されました。
2007-08年度フルブライト研究員として東京大学に在籍の、Dr. Jordan Sand 氏 による“燃える都市の論理―火事を通じて江戸・東京を考える”という講義でした。

江戸時代において、防火対策や消火活動というのは実に原始的な技術しか持ち合わせていなかったので、“消火活動”も今とは違って、四方八方に燃え広がるのを防ぐために、火を東京湾などの水辺などに“誘導”していくような形で収めていったという状況だそうです。火事で燃やされた地域を結んでいくと、火災現場から水辺まで直線で結べることを示す図の紹介がありました。「コントロールされた火事」であったようですね。
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火事とケンカは江戸の華といわれたように、火事が他都市と比べて頻繁に起こったことは事実なのですが、死者の数は火事の規模に対して少なかったとか。

商人の町、大阪に比較してみると、その町の建造物の素材に違いが見られ、江戸の町は燃えやすい木造の建造物によって構成されており、燃えてしまったあとにすぐに再建築がしやすかったことで、江戸が燃えたあとすぐに復興できるしくみだったとのことでした。ちなみに大阪は塗り屋と呼ばれる建築形態で、瓦葺の建物が中心だったそうです。

また、放火による火事もありましたが、なかには、強権的な者に対して制裁の目的で、「行動を改めないと火を放つことになるぞ」といった宣告も普通にあったとか。

市民が非難する際には、障子、布団、畳、といった持ち運びでき、誰にも必要な家財道具を持って逃げ、火事が収まったあとには、家の骨組みさえあればすぐにまた生活ができるようにしたとの説明でした。

なるほど〜

と思う内容の講義でした。
現在の建造物で持ち出せるものはあまりないですね。火事にあって持ち出すとすれば預金通帳と印鑑、重要書類などでしょうか。火が収まったあとに、すぐに元の生活に戻るには江戸時代よりも時間がかかるかもしれませんね。



(J)

posted by スタッフ at 15:31| 東京 ☀| グランティー情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする