大村 恵美子さん
「出会いと学び」
帰国をして三ヶ月経った現在、思い返すとたくさんの人に出会い、学び、経験し、自分なりに成長をして帰国することができたように感じます。私は、オハイオ州スプリングフィールドにある、ウィッテンバーグ大学という小さな私立大学で働いていました。
まず、FLTAプログラムに志願した際の自分の目的は、英語教授と日本語教授の両方を高めること、英語力を高めること、異文化体験をすること、アメリカ高等教育機関で自分の研究への知識を増やすことが挙げられます。私は、名古屋大学大学院の博士前期課程に入学し、一学期を終えたばかりのころに渡米をしました。外国人への言語文化教育に関心があり、修士号取得後にはFLTAプログラムでの経験を生かして、中学校教員になることを目指していましたし、それは今でも変わっていません。そんな私に、FLTAプログラムはたくさんの経験と新たな視座をもたらしてくれました。
ウィッテンバーグ大学では、自分がそれまで予期していたよりもはるかに良い環境が用意されていましたし、たくさんの尊敬すべき人々に出会い、刺激的な毎日を送ることができました。毎日が新しいことで溢れていました。
日本語の先生が二人いらっしゃり、どちらの先生も経験豊かで教授としても人としても尊敬に値する先生でした。先生によって授業の進め方も、教授法も、補助教材も、全然違いました。しかしながら、どちらの先生も、授業に膨大な時間と労力を注いでいて、「私たちにとって日本語の学生が一番だから」という言葉を耳にしては、とても感動したことを今でも覚えています。先生方の情熱あふれる姿勢を、プロフェッショナルだと感じました。もう一つ私が感銘を受けたのは、全学年を通した授業計画の一貫性と連携でした。つまり、コミュニケーション重視のカリキュラムが組まれていることで、みるみる学生のコミュニケーション能力は向上していきました。また、私自身実際に何度か授業を任されたこともあり、授業計画・経営・反省までとても有用な経験をしました。このような現場を間近で観察・参加できたことは、絶対的に将来私が教壇に立つ上で有益に働くことは間違いないです。
一方で、日本語の学生は、みな真面目で、かつ日本のことをよく知っていました。日本文化に関心を持つ学生
が多く、私は逆に彼らからたくさん学んだ、新たな視点を得ましたし、彼らのおかげで母国をもっと愛するようになったことも事実です。外から見た日本は、内から見る日本とはまた少し異なり、逆に日本語の学生にも少しでも私が彼らにとって「新しい」日本を示すことができたなら光栄です。日本語や日本文化の美しさ、おもしろさ、逆にネガティブな側面などについて彼らと話し合い、共有できたことは、かけがえのない瞬間だったと心から言うことができます。日本語の学生一人一人に感謝しています。
一緒に住んでいた、中国とロシアからのFLTAにも影響を受けました。彼女たちはとても勤勉で、かつ人間として魅力的な人たちでした。私たちは時折三人で、仕事のこと、将来のこと、プライベートのこと、様々な話をしました。ウィッテンバーグ大学でたった二人しかいない、同じ立場の仕事仲間であり、友達でもあり、ハウスメイトでもあった彼女たちもまた、尊敬に値する人です。
最後に、私のこのFLTA生活を支えてくれたのは、日本からの他のFLTAでもありました。彼女たちはみな志が高く、またみな自分自身の価値観を非常に大事にしていました。それに、みな仕事に非常に情熱的だったのです。私は最年少でしたし、経験豊富な彼女たちとよく話し、意見交換をしたことは、私のウィッテンバーグ大学での生活や仕事を助けてくれました。それに、同じ目標や夢を掲げた女性、似たもの同士が集まっていたことも確かに私たちの絆を深めてくれました。これからも彼女たちと、ずっと繋がっていたいです。
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